大規模修繕工事
建物や設備の各部ごとに耐用年数はそれぞれ異なるのですが、ばらつきのある各部の修繕を出来るだけ同じ時期にまとめて工事することで、居住者の生活上の不便を可能な限り短期間で済ませ、工事の集約でコストも合理的に圧縮する必要があります。
そのため現在では一定の間隔(標準的に12年に1回)で大規模修繕工事を行うことが多くなっています。
大規模修繕の手順
Step1 調査診断
Step2 計画・基本設計
Step3 実施設計・施工会社選定
Step4 工事監理
Step1 調査診断
(1)予備調査
図面等の保管資料確認、修繕履歴をみていくことで物件の概要を把握します
(2)アンケート調査
予備調査から把握したその建物のおおよその不具合傾向を踏まえて、質問項目を組み立ててアンケート調査を実施します
(3)現地調査
*1 目視調査:目視・触診などの調査を行う
*2 物理的調査:打診調査・塗膜付着調査・タイル赤外線調査・シーリング劣化調査・コンクリート中性化調査など目視だけではわからない部分の調査を行う
既存タイルの打診調査
既存塗膜の引張強度試験
既存タイルの引張強度試験
既存シーリングの試料採取
既存コンクリートの中性化試験
高所作業車による調査
既存コンクリートのコア抜き
(※ どのような調査項目を採用するかは案件の特性を見て決めていきます)
(4)診断
調査に基づいて現状の劣化不具合の状況をまとめ報告します
Step2 計画・基本設計
調査結果を踏まえ、また予算との兼ね合いも考慮し、部位ごとの緊急性を検討して優先順序をつけて管理組合の皆様と計画の基本方針を相談します。
修繕(原状回復)だけでなく、必要に応じて改修(性能向上)項目も取り入れることも検討します。
屋上防水修繕納まり例
バルコニー修繕納まり例1
バルコニー修繕納まり例2(逆梁)
バルコニー修繕納まり例3(サービスバルコニー)
階段修繕納まり例
Step3 実施設計・施工会社選定
決定した大規模修繕工事の基本方針をもとにして工事用の設計図書を作成し、施工会社選定の補助業務を行います。