原宿の通りはメインストリートから一歩入ると概して狭く、折れたり曲がったり、また多少坂にもなっていますが、そんな小路の向うに最近NTTドコモの超高層の建物がぽつんと立ち上がりました。折れ曲がる坂道から見え隠れする搭状のモニュメント。この景観は京都の産寧坂から八坂の塔を見るのと似通った感覚を呼び起こしますね。 |
梅雨時の夜空に工事中のNTTドコモのタワーが墨絵のように浮かんでいました。このランドマークは江戸時代なら浮世絵の添景として描かれたかも知れません。現代では「名所江戸百景」的な伝統はどんな種類の画像に生きているのでしょうか。 |
ところで「名所江戸百景」の時代のランドマークは何だったのでしょうか。やはり所々にある寺の五重塔だったのか?そうではなくて、ビルで遮られることのない江戸のどこからでも見える目印は富士山で、しかも驚くべきことに東側のランドマークは筑波山だったようです。19世紀の江戸はロンドンに次ぐ世界第2の大都市だったにもかかわらず、見通しのきく町だったんですね。 |
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