亡くなった皇太后(昭和天皇妃)は久邇宮家の皇女でしたが、その久邇宮家の弟朝香宮が建てた住宅が今の庭園美術館です。最近発表された都の損益計算書「行政コスト計算書」によるとこの施設は税金投入がなければ年間8億円の赤字。つまり都民一人当り70円の税金負担という計算。この緑豊かなスペースから享受するものと比較すればそれくらい負担してもいいかなという気になります。 |
明治期に創設された「宮家」は数多い。天皇のお膝元の東京に居を構えるようになって、邸地は皇族賜邸地として約3000坪を標準としたといいます。しかしここ朝香宮邸はその当時の郊外であったためか、敷地は1万坪。なんといってもこの広い庭園が魅力的です。芝生が主体の庭はしっとりとして、殆ど無装飾の建物をひきたてています。 |
2階の角の「書斎」がとても気持のいい空間です。斜め45度から入る円形の内部はドーム天井をもち、それを支える円柱が壁から独立して立っており、規模は比較にならぬほど小さいですが、ローマのビラアドリアーナのハドリアヌスの書斎「海の劇場」を思わせます。こんないい空間では勉強や思索に耽るより、茫としている他なさそう。 |
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