ヘンデルの「メサイア」を聞きに行きました。日頃、キリスト教を含め宗教と縁のない生活を送っているのですが、このコンサートを聴いて、「オラトリオ」という形式がはじめて理解できたような気がします。これは聖書の中の物語を、音楽というメディアを駆使してつくったドキュメンタリー番組ではないかと、そんなふうに思うのです。 |
「メサイア」はある英国人が新旧聖書を抜粋しキリストの誕生と死と復活を要領よくまとめた上でヘンデルに曲を依頼したもの。当初は捨子養育院で演奏して評判になったという。牧師の説教では大人でも寝てしまうかも知れないのに、この音楽は子供でも退屈せずにきいたものに違いない。プロデューサーたる英国人の組立てのよさを感じると共に、ビデオなどの映像媒体のない時代のメディアとしての音楽の優秀さを物語っているようです。 |
このメサイアを演奏しているのは「ブルーメンシュトラウス管弦楽団・合唱団」という団体。(大宮ソニックシティ2階G列5。)キリスト教徒の有志が組織しているいわばNPOで、8年前から少しづつ曲を修得し4年かけて全曲演奏できるようになったそうです。聖書の内容を伝える目的で書かれた曲はこのような演奏の方が、伝えようとする意志と歌う喜びが感じられるように思いました。
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