現首相のもとでつづく政治的な空白とバブル後最低を更新し続ける株価、下がり続ける物価、と新世紀に入ってかえって世紀末的な不安感が世の中を覆っていますが、電気街アキバにはウィークデイでも人が溢れています。夜といえども昼間のような光の洪水、街にこだまする店鋪の宣伝歌、地縁的なつながりは皆無なのに、祭のような人と人との接触があり、この場所にいる人間の五感に過剰なまでの刺激を与える空間。
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千代田区外神田。皇居や国会議事堂のある同じ区内にある別乾坤。縦横に走る狭い通路、看板に表示される外国語の文字、飛び交う異国の言葉、通路にはモノと人があふれ混雑を極める。今の日本は程度の差こそあれ都心部はどこもこざっぱりとし、きれいになっていますが、JR秋葉原駅の高架橋下のこの店鋪街は周囲とは異質の濃密な空間をつくり出しています。
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物価は上がるものだと子供の頃は思い込んでいたから、「デフレというものがあってその時は物の値段が下がる」と中学校で習った時は、そんなことが起きるとはてんから信じていませんでしたが、「戦後はじめてのデフレを政府が認めた」とのニュースを見てただ事ではないと驚懼しました。それでもここ秋葉原には光があふれ、音があふれ、人があふれ・・・。経済収縮という言葉が場違いなインフレーションの状態です。
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